ライフステージごとの口腔ケア!!第3弾 乳幼児前半(1歳~3歳前後)
こんにちは。井上歯科クリニック 院長の井上です。
今回は第3弾の1歳前後~3歳前後のお子様で気になる歯磨きやおやつのことについてお話しします。
お子様の歯は最初6ヶ月~7ヶ月頃に下の歯から生え始めます。
赤ちゃんは歯が生えてきてなんだかむず痒く気持ちが悪い感じがする上に、突然歯磨きという今までに経験したことのない物(歯ブラシ)を口の中に入れたり出したりされるのです。
多分不快な感じがすると思います。
本当は歯が生える前や、玩具しゃぶりの時にガーゼや清潔な玩具・指などで慣れさせておくとスムーズに歯磨きまで移行できます。
楽しくスキンシップの1つとして遊びながらやっていきましょう。
この時に使用する歯ブラシはこんな感じ。
指にはめてゴシゴシ!
この頃から哺乳瓶う蝕に気を付けていきたいですね。
離乳食の移行時期であるこの時期に哺乳瓶の使用を辞めるのがスムーズに辞められそうですね。
おやつ
1才を過ぎて前歯で噛み切れるようになってくると、街中でボーロ・アンパンマンのビスケット・サッポロポテト・かっぱえびせん・チョコレートなどをベビーカーに乗ったお子様が食べているのをよく目にします。
歯に良いおやつとむし歯を作りやすいおやつを知っておきましょう!!
☆歯に良いおやつ☆
・口の中を酸性にしない食べ物:チーズ
・口の中にとどまりにくい直ぐに流れてくれる食べ物:ヨーグルト・寒天・ゼリー
・よく噛むおやつ:リンゴ・団子・スルメ
・飲み物:お水・お茶
★むし歯を作りやすいおやつ★
・砂糖がたくさん入っている食べ物:チョコレート・ラムネ・アイス
・粘着性のある食べ物:キャラメル・ソフトキャンディー
・口の中に留まりやすい食べ物:アメ・クッキー・ケーキ・スナック菓子
・味を長く楽しむ食べもの:チューブ入りアイス・棒付きキャンディー
・歯を溶かす酸性の飲み物:ジュース・炭酸飲料・乳酸菌飲料・スポーツドリンク
因みに院長の子供のおやつはこんな感じです。(2歳半の時)
いちご・ぶどう・チーズ・リンゴ・玄米フレーク・煮干し・時々ボーロ
果物の果糖でも虫歯になりますのでご注意を。
おやつの食べる回数が多い『ダラダラ食べ』も、歯を溶かす酸性の状態が長い時間続くのでむし歯になりやすいです。
上の歯又は下の歯が8本生えそろう頃(1歳頃)には大人と同じ硬さの食べ物も食べることが出来るようになります。
しかし噛む力はまだまだ弱いので少ない量でしっかり噛む事をお薦めします。
しっかり噛むことで鼻呼吸でき、唇を閉じて、十分味わうことを覚えます。
鼻呼吸して唇を閉じることが結構大切で、今後の歯並びにも影響してきます。
ここでひとつ『感染の窓』と言う言葉があるのをご存知ですか?
むし歯の原因となる細菌(特にミュータンス菌)は、生まれたばかりの赤ちゃんには存在しません。
そのむし歯菌は、主に母親などの家族から食べ物の口移しなどによって乳幼児期に感染します。
特に奥歯のはえだす19ヶ月(1歳半ころ)から31ヶ月(2歳半)
この1年間が『感染の窓』と呼ばれ、この時期に感染することが最も多いといわれています。
それ以降では口の中の細菌のバランスが決まってくるので感染の可能性は低くなってきますが、この時期に感染するとむし歯原因菌は優勢になり、生涯むし歯原因菌とおつきあいすることになります。
また、この時期にお母さんに対してプラークコントロールや衛生指導などを強化し指導した結果、その子どもへの感染は半減します。
このほかにも妊婦さんに口移しをさせない指導をすることで、2歳半までにむし歯を全く作らなかったという報告もあります、この時期がむし歯のリスクが高く、十分な指導を受けることと、十分な知識を身につけることが非常に重要であることが分かります。
とても大変なようですが、1年間だけ!この時期さえ注意しておけば感染しにくいわけですから、この1年は気合いを入れてケアしたいものです
お子様の歯を虫歯から守れるのはお母さんです。